書名か行: 2008年5月アーカイブ

「R25」に隔週連載されている石田衣良の「空は、今日も、青いか?」を
毎回楽しみにしている。
今回は中国四川省の地震の話。

あの地震のあと、情報が少なかったので、彼にしては珍しくネットの
掲示板をあちこち覗いてみたらしい。
そこで、心の底からがっかりしてしまったそうだ。
今回の地震に快哉を叫ぶような書き込みが、たくさんあった。

あの餃子の事件やチベット自治区での鎮圧、その他いろいろと中国に
対して改善すべき点があると主張することはいい。
実際、私も「なぜそこまでやるのだろう」と思うことがある。

けれど、だからといって中国で大地震が起きたことを喜ぶことができるのは
不思議だ。
好きな女の子に振られたからといって、女はみんなつらい目に遭えばいい、
なんて思わないだろう。
一匹の犬にかまれたからといって、すべての犬は危険だと叫ぶのだろうか。

中国人とか韓国人というラベルを貼り付けて、ひとりひとりの顔を見ないように
している。
そんな気がしてならない。

もちろん、だめなやつはいるかもしれない。
けれど、それは日本人だって同じことだ。
いい人もいれば、いやなやつもいるのは当たり前なのでは。

いまの状態は「森を見て木を見ず」だと思う。
こんなときこそ「木を見て森を見ず」でいたいものだ。
4104596035ゴールデンスランバー
伊坂 幸太郎

新潮社 2007-11-29
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第5回本屋大賞を受賞する前から気になっていた一冊。
500ページを読むのにどれくらいかかるかなあと思っていたら、
一日で読み切ってしまった。

首相暗殺の犯人にされてしまった男はどうなるのか?

これが主題なのだけれど、構成がすばらしい。
五部構成なのに、主人公の青柳雅春が出てくるのは第四部から。
ページ数でいえば、はじめの70ページほどは周辺を描いているだけだ。

しかも各部のタイトルは以下のとおり。
「事件のはじまり」
「事件の視聴者」
「事件から二十年後」
「事件」
「事件から三ヶ月後」

青柳雅春が現れる前に二十年後を語られるとはさすがに驚いた。
もっとも、そこまで周辺を語られたうえで事件を描くからこそ、
ひと息に読んでしまう物語になったとも言える。

伊坂幸太郎の小説らしく、一場面しか出てこないような人たちにも
きっちりとした味がある。
そして、終盤になっていろいろとつながっていく嬉しさ。
最後の場面は快感とさえ言えるんじゃないだろうか。

展開が読めたところもあれば「そう来るか」と思ったところもある。
私としては、青柳雅春と父との関係が強く印象に残った。
信じるとか信じないというレベルではない関係ってうらやましいな。

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